推理ものとミステリーものは一般的に同じものとしてカテゴライズされていますが、厳密にはニュアンスは違います。
推理ものは事件が起こり問題を解決するもので、ミステリーものはすべての作品がきれいに問題解決するものではなくふわっと終わる事もあり、怪奇現象やSFチックになるものも存在します。
推理ものは探偵や刑事が出てくるものが多く、ミステリーは現実離れした謎を追求する物語が多いです。
ミステリー系にカテゴライズされたものの中に推理ものが入ってると言っても良いかもしれません。
推理・ミステリーはどの様なものかかみ砕いて説明していきましょう。
推理系
推理系はトリックを使った事件が起こり、トリックを解き、動機を探り犯人を言い当てて事件が解決する事が多い。
フェクションでなくても成立する事が出来る。
実際の作品で言うと
・名探偵コナン
・薬屋のひとりごと
などがあります。
実際の作品を例にどの様な作品か説明してみましょう。
名探偵コナン
週間少年サンデーに連載
作者は青山剛昌先生
高校生探偵がある取引を目撃してしまい背後から襲われ薬を飲まされてしまい頭脳はそのままで体が小学生に縮んでしまい襲ってきた組織を追っていく物語。
組織は高校生探偵を殺したと思っているため、正体を組織に気づかれたら関わりのある人間が危険にさらされてしまうため偽名を使い小学生として生活することに決める。
父親が探偵をしている幼馴染の家に居候しながら組織の情報を集めていき、小学生のハンデを知り合いの発明家にメカを作ってもらいハンデを補い数々の事件を解いていく。
青山剛昌先生のこだわりで事件に使っているトリックはすべて再現できるものしか使わないそうです。
トリック
トリック(trick)とは、人を騙す目的の謀(はかりごと)や仕掛け。奇術(手品)のタネなど。他に特殊な技・テクニック(トリックプレーなど)を意味する。原義のtrickには悪戯や幻覚などの意味がある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
作品に出てくるものは密室や死亡推定時刻をずらしたり様々なものが存在します。
名探偵コナンで出てくるトリックの中からどの様なものがあるのか紹介していきましょう。
密室トリック
殺人事件などで被害者が部屋の中で殺害されているが、施錠されている等の理由で中には入れない状況の事です。
現場に遭遇した状況
アイドルにストーカー被害の依頼を受けて自宅に出向く。
玄関のドアを開けたら包丁で背中を刺された遺体があった。
現場の状況
玄関には鍵がかかっており誰もが出入りできる状況ではなく、消したはずの暖房がついており、部屋は散乱して争った形跡があるが、一つの椅子だけきれいに遺体のそばにあり、遺体の周囲の床には水滴が落ちており円形のへこみがあり、遺体には誰かの髪の毛が握られていた。
ソファーの下にイアリングが落ちていた。
容疑者
依頼人のアイドル
マネージャー
ライバルアイドル
容疑者の供述
依頼人のアイドル
ストーカーに被害にあっていた
家を出る時にはエアコンは切って出た
被害者と面識はない
合いカギはマネージャーに渡していた
ソファーに落ちていたイヤリングはライバルアイドルの物
マネージャー
被害者との面識はない
合いカギは楽屋泥棒に盗まれた
ライバルアイドルはドラマの主演を奪われて怒っていた
ライバルアイドル
イヤリングはどこかでなくした
現場の部屋には初めて来た
現場での違和感・警察の捜査の進展
被害者がアイドルと同じ高校の卒業生と分かった
ストーカーは元恋人の可能性が高いと推測
マネージャーが転んだと見せかけて握られていた髪の毛を取った
管理人がライバルアイドルによく似た人を目撃している
ライバルアイドルは初めて部屋に来たと言っていたのにも関わらずトイレの場所を知っていたり、見た目では分かりずらいライターを迷いなく使った。
アイドル二人の後ろ姿が似ている
その後の容疑者の供述
依頼人のアイドル
被害者と面識がないと言ったが実は高校時代の元恋人でアイドルになってから振られたので被害者からストーカーされる理由がわからない。
マネージャー
元恋人には自分が分かれるように会って説得して納得してもらった
ライバルアイドル
依頼人アイドルのスキャンダルを探すために楽屋泥棒で手に入れた合鍵で何度か部屋に入っている。
当日も侵入したところ後ろから被害者に声をかけられて揉み合いになり走って逃げた。
事件の真相
元恋人はマネージャーに言われて別れたが、ずっと未練があり話をしたくてもマネージャーとの約束で会ってはいけなかった為後をつける事しか出来なかった。
最後に別れた理由だけでも伝えたくて声をかけたところ拒絶されて逃げられた。
別れたことに対して絶望していた元恋人は憎しみ、憎悪に変わっていった。
元恋人は部屋にあったクシから依頼人のアイドルの髪の毛を取り、椅子に立ち床に置いた包丁めがけて背中から飛び降り自殺した。
現場の違和感の真相
ソファーの下のイヤリング
イヤリングは揉み合った時に外れて落ちた
合鍵をなくしたマネージャー
ライバルアイドルが楽屋に侵入し泥棒した
トイレの場所・置物にしか見えないライターを知っていた
スキャンダルを探すために侵入していた。
遺体の周りの水滴
包丁を床に立てる為に柄の部分を凍らせて床に置き、衝撃で氷が割れたものが溶けたもの
消したはずの暖房
他殺に見せかけるため氷を早く溶かすために犯人が付けたもの
床の円形状のへこみ
包丁の絵の先端で飛び降りた衝撃でへこんだ
マネージャーがとった髪の毛
犯人が依頼人のアイドルかもと思ったマネージャーが髪の毛を見つけ、取った。
事件を解決した後に分かった真相
元恋人は最初は納得して別れたが、後に死にたくなるほど後悔している気持ちを綴った日記が被害者の家から見つかった。
様々な人間のすれ違いや勘違いが読んだ悲劇だった。
まとめ
今回紹介した密室事件は鮮やかなトリックではなかったのですが、背中を刺すよおうな自殺が無いと言う心理を逆手に取ったトリックでした。
このように違和感や現場の状況、各容疑者の言動や行動から真相に導き、解決していく王道な作品になっています。
薬屋のひとりごと
小説投稿サイトから始まった作品です。
舞台は中国で主人公は花街で薬師をしている養父と過ごしていたがお使いの帰りに薬草をつんでいる時に人さらいに攫われてしまい後宮に下女として売り飛ばされていまう。
主人公は養父から薬の知識を学んでおり薬や毒への好奇心が旺盛で動物や植物の毒を自分の腕などで実験をしているような変わり者です。
好奇心、知識欲、ほんの少しの正義感が抑えられない性分。
なので薬や毒の知識があり、その知識から後宮で起こった不可解なことを宦官の命令で調べて、助言をし後は宦官等にゆだねるスタイルで解決していく
後宮の下女達
後宮には様々な理由で後宮にいるが、読み書きが出来ない者が多く、読み書きが出来る者は出来ない者よりお給料は多く支給される。
人さらいに売られた者はお給料の1部が人さらいに還元される。
下女は後宮内で最も身分が低いため些細な揉め事でも打ち首になる事がある。
2年ほど勤めると解放されるが稀に下級妃になる事があるが、容姿が整っている者に限る。
主人公は薬師として生活していた為、文字が読めるが人さらいに余計いなお金が支払われる事を懸念し隠していると共に問題を起こさず2年で花街に戻ることに努めている。
実際に解決した出来事
後宮で生まれてくるお世継ぎが立て続けに死亡していて、この産まれたお世継ぎと上級妃も同じ症状で医者にかかっていた。
2人の上級妃がお世継ぎを産んでいる。
後宮内では呪いと思われている。
症状
母子ともに頭痛や腹痛や吐き気を生じている
主人公の事件の考察
症状から毒殺の可能性が考えられるが、姫も症状が出ている事から後遺争いで毒を盛られた可能性は考えられないので、病気か、血筋の可能性を疑う。
主人公の行動
好奇心から上級妃を見に向かったところ、2人の上級妃が言い合いをしているところに遭遇し顔を見て原因が解り伝える事にし、自分のスカートの裾を裂いたものに注意書きをし2人の上級妃の窓辺にシャクナゲの枝に結んで置いた。
その後の状況
産まれてから4か月が経過した時に後継ぎがなくなった事が知らされた。
注意書きを見た妃はそれに従い助かったが、見ずに捨ててしまった妃にも伝えたが聞き入れてもらえず後継ぎがなくなってしまい妃は衰弱してしまった。
事件の原因の真相
原因はおしろいを塗っていたことによるもの。
おしろいの成分に頭痛や嘔吐などを誘発する成分が入っており美しく見えるが体には有毒だったと言う事です。
主人公が育った花街でも高級おしろいを使った妓女が多く、美貌と命を天秤にかけて多くの命を落としたそう。
薬屋だった事もあり毒には詳しく知っていた。
まとめ
薬屋としての知識や様々な知識で後宮で起こった事件や怪奇現象の正体を突き止めていく作品です。
作品の見せ方とし謎解きの作品なのですが中国の後宮と言う舞台のストーリーや他国との交流やスパイなど様々な見どころがある作品です。
まとめ
推理だけの作品だったり、メインストーリーの合間に軽い推理が挟まる作品だったりはしますが、基本的に推理がメインの作品になります。
怪奇現象、幽霊騒ぎなどを科学的に解決するなどSF要素が含まれないです。
ミステリー系
ミステリーは推理の中にSP系や怪奇現象が当たり前のように入っていたり、怪奇現象、ホラーが入っている物語です。
TV番組で言うと世にも奇妙な物語が当てはまると思います。
アニメ・漫画でいうとデスノートが有名で分かりやすいと思います。
何のでデスノートを例に説明していきましょう。
デスノート
ノートに名前を書くと書かれた人物が死ぬデスノートが存在し、主人公がそのノートを使って理想な世界を作ろうとする物語。
主人公が学校の校庭を歩いてる所に一冊のノートが降ってきて拾うとノートにはDEATH NOTEと書かれており、中にはデスノートのルールが記載されていた。
理想な世界
心神耗弱などで不起訴になる犯罪者を悪とみなしており、デスノートを使用し神の裁きと言う名の虐殺を行い、犯罪の抑制を試みる。
デスノート
デスノートは死神が所有している物でそのノートに触れると所有権を持つと共にそのノートを所有していた死神の姿が見えるようになる。
デスノートにあるルールをいくつか紹介します。
・名前を書くとその者は死亡する
・名前を書いて40秒以内に死因を書くとその通りになる
・対象となる者の名前と顔が一致する必要がある為、同姓同名の者が死亡することはない。
・デスノートに書く名前は本名でなければならないのでペンネームや偽名では死亡しない。
・死因を書くと6分40秒間詳しい状況を書く猶予が与えられる。
名探偵
犯罪者が世界各地で同時に死亡すると言う不可解な事態に注目し、もしこれが人為的なものであれば大量虐殺テロであるとこの事件の解決に名乗りを上げる。
様々な状況から日本に犯人が居ると推測しテレビ中継とアメリカの死刑囚を利用し犯人が日本の関東地方にいると証明した。
犯人の性格を分析し様々な罠を張り犯人を絞り出していく。
直接対決
探偵は犯人を1人に絞り込みそれが主人公だった。
探偵は直接犯人に接触し探偵は犯人のボロを出すために、犯人は探偵をデスノートに書くために本名を探る攻防を繰り広げる。
まとめ
この作品は犯人が主人公と言う珍しい作品で、死神が存在しファンタジー要素が入っているが、推理の要素も入っています。
デスノートと言う作品は死神と言う者が存在するファンタジーと、探偵と犯人の心理戦が見どころのミステリー作品です。
まとめ
デスノートの様にファンタジーと心理戦が見どころの推理ものや、邪悪な妖怪がいてそれを浄化する方法がありそれを見つけて浄化すると言うミステリー作品も存在します。
まとめ
純粋な推理ものは探偵が現実的な事件を解決しますが、ミステリーものは非現実的なものが絡む事件を解決するものが多いです。
ミステリー系は幅が広く、上記の様に似たようなストーリーで見分けがつくように紹介しましたが、怪奇現象や心霊現象をモチーフにしてバットエンドで終わる作品もあります。
ですが謎を解くと言うものに大きくジャンルを分けすると推理系もミステリーと呼べると言えるでしょう。